トラウマの影響 4
親が散歩につれだすと、子どもはきまって暴れはじめ、知らない人のところに走って行って、その人に噛みつくというのです。
診察をはじめる前、妊娠中になにかこころかからだの傷になるような事件は起こらなかったかと、母親にたずねました。
母親はなにもなかったと答えました。
・・・なぜかはわからないが、ともかく、その子は歩きはじめるとすぐに人に噛みつくようになったといいます。
しかし、しばらく話しているうちに、子どもが生まれる直前になって、たてつづけにふたり、親類が自殺したということがわかりました。
わたしは子どもの行動が自殺にたいする母親の感情的な反応からきていると考えました。
胎内の子どもは母親のそうした思いを嫌い、その怒りと苦痛がまだからだのなかに残っていたのです。
子どもの骨組みに手技をほどこし、ショックをとり除いて、背骨の緊張をゆるめました。
治療が終わると、子どもは治療台からおりて、椅子に座っている母親のひざによじのぼり、眠ってしまいました。
・・・わたしが知るかぎり、それ以来、子どもは人に噛みついていません。