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2010年08月 アーカイブ

女性に非情な日本的経営 4

第一次オイルショックを最もうまく乗り切ったのが日本(および西独)でしたが、それはひとえに個々の企業や個人が一丸となって血の出るような合理化を行なったからでしょう。


日本的な経営が行なわれている職場は、日本人の生活の中で非常に大きなウェイトを占めています。


日本人にとって、勤務先の企業や会社は、単に契約に基づいて自分の能力や時間を提供し、引きかえに賃金を得るところではありません。


むしろ、全人格的にそこに属し、社会的な存在証明を得るところです。


個人が会社(組織)との強い一体感を醸成し、情緒的な深い結合をもっている例はいたるところでみられます。


まさに会社は利益をあげることを目的として形成される機能集団であるというより、全人格的に帰属する共同体そのものでしょう。

女性に非情な日本的経営 5

会社が共同体であり、擬似的な家族集団であるというところから、日本的雇用慣行の大半は説明がつくのです。


子供が家族共同体に出生してくるように、人は組織に入社(入省)し、一生そこに属します。


家族の中で兄弟の順が重んじられるように、組織の中で入社年次が重視されます。


白紙の状態の子供を育てるように、長い時間をかけて教育や訓練が行なわれ、能力についても長期的に評価されます。


それはすべて、機能集団の論理というより家族共同体的な論理です。


日本的組織においては、将来の中枢を担うと考えられている人びとほど、全人格的に組織へ帰属することが強く期待されています。


そういうエリートでない人びと、あるいは中途採用といった人びとには、このような忠誠心、帰属感が期待される度合も少なくなっていきます。


その外側の臨時工とか、パートタイマーとかいわれる人びとに対しては、終身雇用とか年功序列とかの
原則すら適用されません。


景気に対する調整弁とされるのも、こういう組織の縁辺にいる人びとです。


日本の組織はこのように3重、4重、5重もの重層構造をなしています。


好・不況による人員の調整はできるだけ外側の部分で行ない、中心に近い部分はあまり変化させません。


たとえ業績の悪い時期でも幹部候補生は一定数採用しようとしますし、業績のよい時期にも将来のポストを考慮してむやみには採用しません。


皇統が連綿として続くように、配慮されているのです。


この核の部分は特に力と時間をかけて養成され、責任感や忠誠心が期待され、それに見合う将来のポストや権限が保証されます。

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