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2010年12月 アーカイブ

緑地の育成

住宅は20年くらいたつと雨もりがしてきます。


一戸建住宅は30年サイクルで建てなおしが必要でしょう。


一番長もちするのは、ぜいをつくして建てられた美術館や音楽ホール、議事堂などの特殊な公共建築物で、これは100年の寿命で考えてもいいかもしれません。


しかし大部分の日本の建物は30年くらいの間隔で今後もスクラップされたり、建てられたりすると思います。


耐用限度が存在せず、100年にわたって変わらない土地利用は何かというと、それは自然でしょう。


緑地や公園です。


緑地や公園は公有地ですから、一度つくれば変わりません。


一般の宅地でもそこに建つ建物は変わるかもしれませんが、そこに植えられている木は立派に育てば育つほど、つまり時間がたてばたつほど伐りにくくなり、残されるようになります。


新日鉄の君津製作所では210年くらい前に、ドイツの森林を研究されていた高名な日本の植物生態学者の技術によって、工場敷地のなかに立派な武蔵野の森を再生することができました。


このように私企業の敷地であっても、一度大規模な公害防止用の森ができれば、それを伐って別の用途に使うことは誰もが考えなくなるのです。


これほど大規模ではなくても、最近では石油化学の工場地帯には、防災用の緑地として樹木をたっぷりと植えるようになってきました。

緑地の育成 2

一般の住宅団地でも木を植えることがこれまで以上に地域社会から要請されるようになるでしょう。


塩害に悩む海浜の住宅団地では、海岸に面して塩風を吸収できる松林を奥行き数十メートルにわたってつくっておくことは、昔からの常識でした。


この常識がここ2、30年の間にいつの間にか無視されてきていました。


このような海岸に森をつくる動向が強まり、それが東京湾全体の埋立地に約束事として決められれば、埋立地の景観や住み方は大きく改善されます。


たとえば水際線から奥行き100メートルは、公園だろうと、工場用地、オフィス用地、あるいは住宅団地だろうと、木を植えて海岸緑地にすることが一般化すれば、この緑地的土地利用は100年たっても変わらないでしょう。


森林は100年たてば、50年前より良くなるし、200年たてば、100年前よりも良くなるのです。


樹木というのはそういうものです。


潮風に強い木を選ばなければならないという問題はあるにしても、このような埋立地の前面を緑地にするという土地利用の方針は、今後東京湾岸の価値を高める重要な考え方です。

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