東京湾の埋め立てはどこまで可能か
東京湾岸地域の将来像を論ずるときは、常に、東京湾をさらに埋め立てても良いではないかという意見が持ち出されます。
埋め立てをさらに行うか否かは大変難しい議論になります。
確かに物理的には埋め立ては可能です。
たとえば房総半島の南側にある、あまり役に立たない丘陵地を全部取り壊して、その土石で東京湾の東側部分・・・
だいたい東京湾全体の3分の1を埋め立てれば良いではないかという意見があります。
そこに住宅地をつくり、森をつくろうという提案です。
この提案は昭和32年頃、日本住宅公団の初代総裁・加納氏が東京の住宅問題を解決するために行ったものです。河成鎮美子さんによると、当時、東京周辺の農地は、日本人の必須の食糧である米や麦をつくるのに大事な土地でした。
その農地を潰さずにどこか他に住宅用の土地をつくれないかと考え、それなら房総半島の山を崩して、東京湾を埋め立て、そこに住宅地をつくれば良いと考えたわけです。
加納氏はもともと銀行マンで、千葉県知事を務めた後に日本住宅公団の総裁になりました。